ソラ豆とピタゴラス

最近デスクワークに追われ、煮詰まってきましたので、久しぶりにブログを更新します。(え?そんな理由?と突っ込まないでくださいね。結構そんな理由です。)

もうすぐ届く船便にはいくつか新商品が積まれていますが、今回はその中の「Bigilla」をご紹介します。

ビギッラ(ビギーラ)はマルタの伝統料理の一つで、ソラマメをすりつぶしたペーストです。
マルタでは、クラッカーやパンに塗って、スナックやオードブルとしてよく食べられる、今でも広く愛される郷土料理です。

原材料の豆も、ful ta' Ġirbaというマルタのソラマメで、一般的なソラマメよりもやや小振りで茶色く、硬めの皮が特徴です。
マルタに行かれた方はご存知かもしれませんが、日本では認知度ゼロに近い食べ物だと思います。
いつものことながら、見た目も、味も新し過ぎるマルタの食材のご紹介は、説明がとても難しいのですが、昔から愛されるヘルシーなマルタ料理ですので、是非お試しください!

さてさて、久しぶりの「因みにコーナー」です(笑)

「ピタゴラスの定理」や「ピタゴラス音律」で知られるピタゴラスは(紀元前5~6世紀の人物とされているので、どこまでが史実なのか定かでない部分は多々ありますが)、言わずと知れた古代ギリシャの天才数学者であり哲学者です。

そのピタゴラスは、「ピタゴラス教団」なるものもつくったのですが、基本的に秘教の結社ですので、奥義の詳細な記述はあまり残っていません。
しかし、「アルケー(根源的原理)は数」であるとし数学の研究をしたり、輪廻転生を信じていたり、教団の子弟は私有財産を持たず、ピタゴラスの戒律に則った生活を送っていたとされています。

戒律には、「足は左足から洗うべし」とか、「公衆浴場は使うな」といったものなどがあり、教団では散歩やレスリングを行い体を鍛え、菜食中心の食生活を送り、読書や勉学に勤しんでいたということです。

ピタゴラスの戒律の中には不思議なものが多いため、怪しい結社であったと捉えられることもありますが、ピタゴラスの言葉を字面通りの意味に受け取ってはいけないと言われていたともいいます。

例えば、「荷を負う者が荷を担ぐのを助けよ。荷を降ろすのを助けるな。」という戒律は、単に人を楽にするために協力するのは良くないことを教えているとも言われています。

また、「大通りを歩いてはならない。」という戒律の言葉の真意は、多数の意見に従うことは危険であることを教えているとも考えられているので、なかなか深い内容であるかもしれません。

全ての戒律に意味がある訳ではないかもしれませんが、直角三角形の辺の長さなどという、私のような人間は気にも留めない問題について考え、定理を導き出す天才数学者ピタゴラスが、色々考えた挙句言うのだから、「歩く時(靴を履く時)は右足を先にすべし。」と言われると、やはり右を先にした方が良いのかな~という気になってしまいます(笑)
もしもピタゴラスと同じ時代に生きていて、バッタリどこかで出会ってしまったら、うっかりピタゴラス大通りを歩いてしまいそうです(笑)

で、やっと本題に近づきました。
そんなピタゴラスの戒律の中には、「ソラマメを食べてはいけない。」というのがあるのです。

勢力を増したピタゴラス教団は市民に弾圧され、現在のイタリアのシシリア島での戦闘に参加し、ピタゴラスは敵対勢力によって殺害されたと伝わっています。(この辺り長くなるので、意味不明になるほど略しています。)

ピタゴラスは、ソラマメを食べないという戒律を厳しく守っていたので、ソラマメ畑を避けて逃げようとして敵に捕らえられ殺されたとか、ソラマメ畑に逃げ込んだものの、ソラマメを食べるより餓死を選んだとも言われていますが、何れにしてもソラマメ畑で死んだということになっています。

何故ピタゴラスがソラマメ禁忌を唱えていたのかには諸説ありますが、私個人的には、ソラマメ中毒が原因なのではないかと考えています。

ソラマメで中毒?と思いますが、赤血球が破壊される溶血性貧血によって、死に至ることもある中毒症状です。

日本では滅多に聞かないソラマメ中毒ですが、地中海地方ではわりと起こることなのです。
もともと地中海地方では、ソラマメを食べることが多く、ソラマメ消費量自体が多いということも一因ではありますが、地中海地方出自の男性固有の遺伝子の中に、ソラマメ中毒の起因となる変異が存在することも、最近明らかになっています。

マルタ騎士団の前身、テンプル騎士団でも、ソラマメを食べてはいけないというきまりがあったそうなので、経験的に地中海地方の男性にとって、ソラマメは危険な食べ物であることを知っていたのではないでしょうか。

動脈と静脈や、耳管を発見したり、精神活動を司るのは脳ではないかと主張したりした、解剖学者のアルクマイオンもピタゴラス教団員であったことからも分かるように、教団には数学だけでなく、自然科学の知識の集積もあったようですので、密儀というよりは、医学的な知識による養生訓的なものであったような気がします。

ソラマメ中毒は、ひどい場合は、ソラマメの花粉によっても起こるそうです。
ギリシャ出身のピタゴラスは、もしかしたら重度のソラマメアレルギーだったかもしれませんね。

地中海出自の男性にはちょっと危険なソラマメですが、マルタのビギッレは人気のお料理です。
食べ過ぎでソラマメ中毒になる人もいるかもしれませんが、それでも食べたくなる、地中海地方の人にとっては抗えない魅力のある食べ物なのかもしれません。

ビギッレやレバ刺しに、カリギュラ効果(禁じられるとますますしたくなる心理)もあるんでしょうか?
忙しいのでブログ書いている場合ではない私は、カリギュラ効果によってブログ更新しているのでしょうか?

写真は、マルタのビギッレ売りの様子と、入荷予定のビギッレです。

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リンク元:https://www.pinterest.com/source/fbcdn-sphotos-e-a.akamaihd.net/

ビギッラ

maltaste3のコピー


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