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猛毒の美しい女性

ASWOT

2013-12-08
野菜・果物・ハーブ
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今回はトマトの歴史に入る前にちょっと脱線して、「美しい女性」という名の猛毒を持つ植物のお話です。

今では世界中で食べられているトマトですが、南米からヨーロッパに入ってきてから長い間、主に観賞用に使われ、食用になったのは18世紀に入ってからと言われています。
その原因の一つとなったのが、「美しい女性」です。

この「美しい女性」というのは、ベラドンナというナス科の植物で、イタリア語でBella Donna(bella=美しい、donna=女性)です。
この植物は猛毒を持つことで知られ、古くから暗殺のための毒薬や、弓矢に塗って毒矢をつくることにも用いられたそうです。
トマトはこのベラドンナに似ていたため、トマトも毒を持つと信じられ、食べられることがなかったといいます。

ベラドンナは、植物全体に毒性があり、その成分を摂取すると幻覚、錯乱、呼吸困難などを引き起こし、昏睡状態に陥ったり、最悪の場合は死に至ります。
根には特に強い毒性があり、葉に触るとかぶれたり、潰瘍ができてしまうこともあります。
実は甘いらしいのですが、2~5粒食べると大人の致死量になるので、絶対に食べてはいけません

不思議なことに動物の種類によっては、食べても中毒症状が起こらないようで、犬や猫などは中毒になりますが、牛やウサギ、鳥類などは中毒症状を起こしません。しかし、ベラドンナを食べた牛やウサギを食べた場合、人間が死に至ることもあるようです。

こんな猛毒を持つ植物が、何故「美しい女性」の名前を持っているのでしょう。
それは昔、少しでも美しくありたいと思う女性達が、ベラドンナの成分を抽出して点眼し、瞳孔を開いて眼を美しく見せることに使っていたからだそうです。瞳孔が開くと、瞳がキラキラとして大きく美しく見えるのだとか。
現代のカラーコンタクトにも通じるものでしょうか。好きな人や興味のあることに接していると瞳孔が開くので、目が輝いて美しく見えると聞いたこともあります。
色々なことに思いが及ぶ話ですが、毒をも恐れぬ女性の美への探求心にも頭が下がります。

ところで瞳孔を開くのはアトロピンという成分で、今でも眼科の検査時などに散瞳の薬として使われています。
その他、麻酔前投薬や鎮痛剤としても用いられ、胃潰瘍の時などに処方される他、サリンなどの解毒剤として使用されることもあります。

美しい女性は、毒にも薬にもなるんですね。

そういえば、最近スーパーで紫色のトマトを見かけましたが、ベラドンナに似ていたような気がします。

写真はベラドンナです。

belladonna-3844_640.jpg


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